天は人の上に人を(略

僕等の心強い味方、一万円札で有名な福沢諭吉大先生に関してプチ論議がありました。


そもそもこのお方の「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らず」の台詞は多方に渡って
勘違いされており、小中学校の全校集会で一度はトンチキな人権平等御託を並べる先生が居ます。


この台詞、ここで区切るから勘違いが発生するのであって、正確に区切るのであれば
「天は人の上に人を造らず、人の下に人を造らずといへり」 となるべきです。
「いへり」の部分は現代文に直すと「〜と言われている」という表現になるのであって、
諭吉大先生はこの文章を伝聞系として引用しているだけで先生自体の台詞ではありません。


で、この後に続く分を平文に直してみると
「でも世の中見てみりゃ賢いやつ馬鹿なやつ、勝ち組みに負け組みいるじゃん。
 オギャーと生まれた時は、そりゃみな平等。
 そのあと勉強した奴が勝ち組みになって、サボったやつが負け組みになるってワケよ」
と、下級武士の身分から万券札の中の人にのし上がる自身のサクセスストーリーを自己考察
したような文章に続く訳です。
更に読み進めると国防論に発展しており、人権平等の博愛主義者どころか立派なタカ派親父です。


よくこの一文と、諭吉先生が愛娘の身分違いの男との結婚を大反対したエピソードを交えて
笑いをとる小噺がありますが、この内容を知っていれば何の矛盾もないことが分かります。
むしろ諭吉先生からしてみれば、結婚するような年になっても立身出世してないボンクラ男が
なに寝言ほざいてんだゴルァってなもんでしょう。


トンチキな御託で人権平等に結びつける小中学校の先生はアホです。
というか多分この(欠落した)一文だけを知っていて、「学問のすゝめ」は読んでないのでしょう。
まぁ私も全文読んだこと無いわけですが、せめて序文くらいは読んだ方がいいかと思います。
わざわざ引用してんだし。



というわけで、この文章を引用して人権云々語る輩に対して、私は生暖かい眼で見ております。







ということはどうでも良くて、最終的にこの話を持ち出して
「じゃあおれらどうなのよ?」
「…負け組みじゃね?」
「福沢先生、負け組みでごめんなさい」
という具合に決着がついてしまうところがミソです。ああ、学が欲しいなぁ。